血液検査 AT-Ⅲ

①AT-Ⅲ アンチトロンビンⅢ
基準値:80〜130 %
肝および血管内皮細胞で産生される。生理的には抗凝固作用を有しているため、欠乏により過凝固状態を引き起こしやすくなる。 また,AT IIIの血中濃度は産生と消費のバランスにより左右されるため,凝固系の動き,産生状態,血栓症の病因を知ることが重要となる。


低値の原因
先天性AT-Ⅲ欠乏症、肝硬変や劇症肝炎による産生障害、播種性血管内凝固症候群(DIC)での凝固亢進に伴う消費性の減少。
DIC症例などでヘパリンを長期間投与している場合では,AT-Ⅲが消費性に減少する


高値の原因
急性期疾患で高値を示す場合もあるが,反応性の増加によるものと考えられ,その病的意義については一定の見解がない.


低下による症状
50%前後になると,外傷,手術,妊娠分娩,経口避妊薬服用などを契機に動静脈血栓症,特に下肢深部静脈血栓症や肺塞栓症を発症しやすい.