血液検査 K

●血清カリウム(K)
基準値:3.5~5.0mEq/L
酸塩基平衡、浸透圧の維持をつかさどる。カリウムは心筋の活動に大切な働きをしている。
尿中へのカリウムの排泄はアルドステロンで調整されている。
細胞内に98%(150mEq/L)、細胞外に2%(4mEq/L)


摂取:40〜120mEq/L/日 生野菜や果物に含まれる
排泄:摂取と同量を排泄 95%腎排泄、5%腸管排泄


調整機構:インスリン、カテコラミン、甲状腺ホルモンはカリウムを細胞内へ取り込み促進
また、アシドーシスの際にはカリウムを細胞外へ移動させる


高値の原因
カリウムの排出障害(腎不全、アジソン病、アルドステロン分泌異常)、RAS阻害薬内服
細胞内カリウムの移行(火傷、代謝性アシドーシス、溶血性疾患、悪性腫瘍壊死、横紋筋融解症、)挫滅症候群(クラッシュシンドローム)
腎機能低下時にACE,ARB,NSAIDs,スピロノラクトン使用すると高Kとなりやすい。


低値の原因
カリウムの排出障害
カリウムの摂取不足
カリウムの喪失(利尿薬、嘔吐・下痢、原発性アルドステロン症、クッシング症候群)
カリウムの細胞質内移動(筋無力症、周期性四肢麻痺)


高カリウム血症の症状
不整脈、筋力低下、知覚障害、悪心、嘔吐、心電図上テント上T波
7mEq/l以上になると致死的不整脈を起こす可能性が非常に高くなる


低カリウム血症の症状
脱力、呼吸筋麻痺、腸管麻痺、多飲・多尿、心電図上T波平坦化・U波出現、筋肉痙攣こむら返り、四肢痙攣