血液検査 Na

●血清ナトリウム(Na)
基準値:135~145mEq/L
Naは、細胞外液中の陽イオンの約90%を占め、酸塩基平衡、血漿浸透圧の維持をつかさどっている。主として副腎皮質ホルモンによって調節されている。


高値の原因
利尿薬、浸透圧利尿、尿崩症
脱水症、ナトリウム過剰、クッシング症候群、原発性アルドステロン症など

低値の原因

ナトリウム欠乏症(下痢、嘔吐、ネフローゼ症候群、アジソン病)
消化管出血、利尿薬の服用
水分過剰(多飲,、SIADH)
水分鬱滞(心不全腎不全、悪性腫瘍)


低ナトリウム血症の症状
→全身倦怠感、悪心、乏尿、循環不全、意識障害、けいれん
130 (mEq/L)以上 一般的には無症状
120〜130 (mEq/L) 軽度の虚脱感や疲労感が出現
110〜120 (mEq/L) 精神錯乱、頭痛、悪心、食思不振
110 (mEq/L)以下 痙攣、昏睡
※低ナトリウム血症では脳浮腫が生じ、脳ヘルニアに至る。


高ナトリウム血症の症状
高血圧、息切れ、興奮・不穏、ツルゴール(胸)低下、CRT延長


低Na血症に対しNa補正をする場合、24時間後10mmol/L、移行は8mmol/Lの上昇が目安。上げすぎると低Naによる脳浮腫が生じていたため補正により水分が抜けODS(浸透圧性脱髄症候群)が生じてしまう。ODSに対する効果的治療はないためNa補正は丁寧に。