化学療法 Cape+CDDP+T-mab療法

Cape+CDDP+T-mab療法(カペシタビン+シスプラチン+トラスツズマブ療法)
胃がんに用いられる標準的治療。
21日(3週)ごとの治療で2~3か月に1回CT等を撮影し、効果があれば続ける


催吐性リスク 高度  脱毛リスク 24%


治療スケジュール 1コース目12時間 2コース目11時間


●カペシタビン(ゼローダ) Cape

2000mg/m2/日 1日2回14日間 抗がん剤開始の夕より開始
ゼローダに抗がん作用はないが、体内で5-FUに変化し交換を発揮する


副作用:手足症候群(HFS)(24.5%)  その他、骨髄抑制、口腔粘膜炎(22%)、下痢(28%)
予防:保湿(1日2回) 治療:ステロイド外用剤
Gread
1 しびれ、皮膚知覚過敏、ヒリヒリ・チクチク感、無痛性腫脹、無痛性紅斑
日常生活に制限を受けることはない症状
2 腫脹を伴う有痛性皮膚紅斑 日常生活に制限を受ける症状
3 湿性落屑、潰瘍、水疱、強い痛み 日常生活を遂行できない症状
grade2以上は症状が改善するまで休薬が必要。


併用注意 ワルファリン、フェニトイン
飲み忘れたときは2回分のまず次の分から服用する。


●アプレピタント(イメンド) 選択的NK1受容体拮抗剤

1日目:125mg 2・3日目:80mg
抗悪性腫瘍剤投与に伴う消化器症状に用いる
1日目は抗悪性腫瘍剤の投与1時間~1時間30分前に投与し, 2日目以降は午前中に投与


●生理食塩液1000mL+硫酸Mg 8mEq 4時間

CDDP投与による腎障害抑制目的で投与される


●トラスツズマブ(ハーセプチン:Tmab[HER] )  非壊死性抗がん剤


用法容量
A法
初回投与時には4mg/kg、2回目以降は2mg/kgを90分以上かけて1週間間隔で点滴静注


B法
初回投与時には8mg/kg、2回目以降は6mg/kgを90分以上かけて3週間間隔で点滴静注
初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。


副作用
心障害(心不全、息切れ、動悸、不整脈、徐脈、)があるため化学療法前に心エコー必要。
投与中又は投与後24時間以内にInfusion reaction(症状:発熱、悪寒、悪心、嘔吐、疼痛、頭痛、咳嗽、めまい、発疹、無力症等)が約40%の患者において報告されている。処置(解熱鎮痛剤、抗ヒスタミン剤の投与等)


●パロノセトロン(アロキシ) 0.75mg  5-HT₃受容体拮抗薬

効能効果
抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状、化学療法誘発性悪心嘔吐(CINV)の予防


注意
本剤の消失半減期は約40時間であり、短期間に反復投与を行うと過度に血中濃度が上昇するおそれがあるため短期間での反復投与は避けること。
本剤の投与により消化管運動の低下があらわれることがあるので、消化管通過障害の症状のある患者は、本剤投与後観察を十分に行うこと。


遅発性悪心嘔吐の抑制効果については、グラニセトロンよりも優れているとの結果が出ている。


●デキサメタゾン(デカドロン) 9.9mg

効果
抗悪性腫瘍剤(シスプラチンなど)投与に伴う消化器症状(悪心・嘔吐)


●シスプラチン(ランダ:CDDP) 80mg/m2 炎症性抗がん剤

禁忌:腎障害 
用法容量
投与前後に積極補水(ハイドレーション)が必要。
本剤投与前に1,000〜2,000mLの適当な輸液を4時間以上かけて投与。
本剤投与時、投与量に応じて500〜1,000mLの生理食塩液又はブドウ糖−食塩液に混和し、2時間以上かけて点滴静注する。点滴時間が長時間に及ぶ場合には遮光して投与すること。
本剤投与終了後、1,000〜2,000mLの適当な輸液を4時間以上かけて投与。
本剤投与中は、尿量確保に注意し、必要に応じてマンニトール及びフロセミド等の利尿剤を投与すること。


副作用
腎障害、消化器症状(63%)が強くでる。末梢神経障害、聴力障害、味覚障害、口腔内粘膜炎


消化器症状:5Ht3受容体拮抗薬、NK1受容体拮抗薬、ステロイドにて催吐性をカバー。
症状が続く場合はメトクロプラミド、アルプラゾラム、オランザピンを使用する。
腎障害:体重測定、IN/OUTバランスの確認が必要。当日~2日まで尿量1L以下は異常
末梢神経障害:つま先・下肢の痺れが出現。熱傷、転倒、低温やけどに注意
聴力障害:耳鳴り、耳閉感、高音域の感音障害が出現。投与量調整が必要
味覚障害:味がしない、砂を食べているような感じ  → ケモ食考慮
口腔内粘膜炎:口腔内乾燥にはうがい薬、痛みにはアセトアミノフェン、栄養補助食品等


●フロセミド(ラシックス) 20mg
シスプラチン後の尿量確保目的


●生理食塩水1000ml
4時間ほどかけて投与


●デキサメタゾン(デカドロン) 8mg/日
化学療法翌日から3日間、1日2回内服