化学療法 FOLFIRINOX療法

FOLFIRINOX[フォルフィリノックス]
(レボホリナート+フルオウラシル+イリノテカン+オキサリプラチン)


適応
進行・再発膵癌
14日(2週)毎 


催吐性リスク高度 


スケジュール 4時間50分+5-FU
●アプレピタント(イメンド) 選択的NK1受容体拮抗剤

1日目:125mg 2・3日目:80mg
抗悪性腫瘍剤投与に伴う消化器症状に用いる
1日目は抗悪性腫瘍剤の投与1時間~1時間30分前に投与し, 2日目以降は午前中に投与


●パロノセトロン(アロキシ) 0.75mg 5-HT₃受容体拮抗薬

効能効果
抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状、化学療法誘発性悪心嘔吐(CINV)の予防


注意
本剤の消失半減期は約40時間であり、短期間に反復投与を行うと過度に血中濃度が上昇するおそれがあるため短期間での反復投与は避けること。
本剤の投与により消化管運動の低下があらわれることがあるので、消化管通過障害の症状のある患者は、本剤投与後観察を十分に行うこと。


遅発性悪心嘔吐の抑制効果については、グラニセトロンよりも優れているとの結果が出ている。


●デキサメタゾン(デカドロン) 9.9mg

効果
抗悪性腫瘍剤(シスプラチンなど)投与に伴う消化器症状(悪心・嘔吐)


●オキサリプラチン(エルプラット:L-OHP) 2時間

本剤を5%ブドウ糖注射液に注入し、250〜500mLとして、静脈内に点滴投与する。
治療直後より手・口・喉の違和感といった末梢神経障害が生じる。
治療後1週間は直接つめたいものをさわらないようにする。


副作用:急性期・慢性期末梢神経障害(91%)、易疲労感、血小板減少(70%)、貧血(40%)
血管痛でやすい 2~3日で改善
炎症性抗がん剤であるが血管外漏出時は冷やさずに保温する。

過敏症は初回投与に起こるとは限らず、複数回投与後に起こりやすい(25%)
呼吸困難や嚥下障害を伴う咽頭喉頭絞扼感が出現することもある。


●FOL(フォリン酸)レボホリナート(アイソボリン:l-LV) 2時間


イリノテカンと2時間で同時投与
併用注意:ワーファリン、フェニトイン
ビタミンの一 種でに抗がん作用はない。5-FUの働きを高める作用 がある。


●IRI:イリノテカン(CPT-11:カンプト) 炎症性抗癌剤 1.5時間

禁忌:腸管麻痺,腸閉塞のある患者
用法・用量
A~E法。添付文書参照。150mg/m2/1.5h
レボホリナートと同時投与する


副作用
骨髄抑制、消化器症状(催吐性:中等度)40%以上
コリン作動性症状(下痢、発汗、悪心・嘔吐)
高度な下痢(50%以上)
早発型:本剤投与中あるいは投与直後に発現する。コリン作動性と考えられ,高度である場合もあるが多くは一過性であり,副交感神経遮断剤(アトロピン)、抗コリン薬(ブスコパン)の投与により緩和することがある。
遅発型:本剤投与後24時間以降に発現する。主に本剤の活性代謝物(SN-38)による腸管粘膜傷害に基づくものと考えられ,持続することがある。


消化器症状に対してはメトクロプラミド、アルプラゾラム、オランザピンの投与
遅発性下痢に対してはロペラミド塩酸塩等の止瀉剤の投与。※便秘になるとイリノテカンが排出されず骨髄抑制が増強するので排便コントロール必要
脱水を認めた場合には,輸液,電解質補充。
重篤な白血球・好中球減少を伴った場合には,適切な抗生剤の投与。
高度な下痢や嘔吐に伴いショックがあらわれることがあるので,観察を十分に行い,呼吸困難,血圧低下等が認められた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと。


●F:フルオウラシル(5-FU) 炎症性抗がん剤

400mg/m2を5分間で急速投与後にインフューザーポンプを用いて2400mg/m2を46時間かけて投与する。
注意:ワーファリンカリウムと併用注意 抗凝固機能の変動注意
副作用:下痢、悪心・嘔吐・食欲不振、好中球減少(49%)、口腔内粘膜炎、手足症候群
消化管粘膜障害


手足症候群:手・足裏のちくちく、ぴりぴり感。予防的保湿ケアが大切
口腔内粘膜炎:口腔内乾燥にはうがい薬、痛みにはアセトアミノフェン、栄養補助食品等
→スキンケア、マウスケアが大切


●デキサメタゾン(デカドロン)
投与翌日から3日間。