胸腔ドレーン

胸腔ドレーン Chest Drain
胸腔内にチェストチューブを挿入し胸腔内の空気・液体を排出する。


目的
・肺の虚脱防止と再拡張
・液体貯留防止


観察
・呼吸性移動 Fluctuation
呼吸に伴い水封室の水位が上下移動すること。
通常胸腔内圧は吸気時に-6~-8cmh2o、呼気時に-2~-4cmh2oのため吸気時に上昇、呼気時に下行する。治癒とともに消失するが急激な消失は異常。
・エアリーク Air reak
水封室で生じる気泡のこと。気胸の急性期では呼気・吸気の両方で認めるが、経過とともに呼気のみに移行し、最終的には消失する。
・皮下気腫
胸腔内or大気Airがドレーン挿入部から皮下へ逃げること。ドレナージ不良の場合に生じる。


吸引器
・MERAサキューム
吸引圧を機械で設定できる。
・チェストドレーンバック
吸引器に蒸留水を入れ吸引圧を設定する(30cc)


●カテーテル
トロッカーカテーテル
8Fr〜32Frまである。成人の胸腔ドレーンに使用する太さは18Fr〜24Frあたりを使用する。サイドチューブが付いたダブルルーメンのトロッカーなど必要に応じて薬剤投与可。
基本的にはシングルルーメンを使用する。
チューブが太いため、血胸や膿胸といった排液の粘度が高いものや、排液量が多いものも容易に排出させることが可能。緊張性気胸といった早期に脱気をする必要がある場合にも使用されます。
穿刺時に肺実質の損傷の可能性と留置後異物感が強く、疼痛も強い


アスピレーションキット
6Fr〜12Frと細い。挿入時に皮膚の切開範囲も小さく、挿入時痛や留置後の苦痛も少なくない。アスピレーションバルブという一方弁が付いています。脱気や胸水の用手的な吸引が可能です。延長チューブにクランプやクレンメがついているため、容易にクランプできるというメリットがある。
カテーテルが細いため粘稠度の高い排液では閉塞する可能性が高い。低圧持続吸引を実施する際は、アスピレーションバルブを外す必要があります。アスピレーションバルブを付けたまま低圧持続吸引器に接続した場合、一方弁による吸引圧エラーのため緊張性気胸を誘発する可能性もあります。


挿入
仰臥位で患側上肢を挙上させ、肋間を広げる。中腋窩線上第5・第6肋間から挿入
必要物品
トロッカーカテーテルorアスピレーションキット、切開メス、滅菌ドレープ、滅菌手袋、ポピドンヨード
キシロカイン、23G針、10ccシリンジ、ペアン鉗子、縫合糸、針、


固定テープ、挿入部保護テープ、タイガン、