下剤 大腸刺激性下剤

大腸刺激性下剤
腸粘膜を刺激して蠕動運動を亢進させることによって排便を促すもの。塩類下剤だけでは排便コントロールが困難な場合などに併用する。


センノシドやセンナを長期に使用することで大腸壁に色素が沈着、肥大化し大腸の動きが悪くなり、便秘症状が悪化したり緩下剤への反応性が低下する。
内視鏡検査で大腸壁が黒く染まって見えるので「大腸黒皮症」とも言われる。一方、ピコスルファートナトリウムは習慣性が少なく高齢者にも使用しやすい薬剤です
大腸メラノーシスは可逆性の症状なので、原因となるアントラキノン系緩下剤を中止すれば回復するが回復まで半年~1年程度かかるといわれいる。


●プルゼニド(センノシド) アントラキノン系の刺激性緩下剤

禁忌
急性腹症が疑われる患者、痙攣性便秘の患者
重症の硬結便のある患者
電解質失調(特に低カリウム血症)のある患者には大量投与を避けること


用法用量
1日1回12〜24mg(本剤:1〜2錠)を就寝前に経口投与する。
高度の便秘には、1回48mg(本剤:4錠)まで増量することができる。


作用時間 8~13時間


薬効薬理
主瀉下成分のセンノシドAは胃内投与後胃及び小腸から吸収されることなく、そのままの形で作用部位の大腸に達し、腸内菌の作用でrhein anthroneに代謝されて瀉下作用を発現する


●センナ(アローゼン) アントラキノン系

禁忌
急性腹症が疑われる患者、痙攣性便秘の患者
重症の硬結便のある患者
電解質失調(特に低カリウム血症)のある患者には大量投与を避けること


用法用量
通常成人1回0.5〜1.0gを1日1〜2回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。


作用時間 8~12時間


●大黄(大建中湯)  アントラキノン系 漢方製剤

効能効果
腹壁胃腸弛緩し、腹中に冷感を覚え、嘔吐、腹部膨満感があり、腸の蠕動亢進と共に、腹痛の甚だしいもの。
胃下垂、胃アトニー、弛緩性下痢、弛緩性便秘、慢性腹膜炎、腹痛。


用法用量
通常、成人1日27.0gを2〜3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。
作用時間 8~14時間


●ラキソベン(ピコスルファート) 10ml(150滴)

用法・用量
各種便秘症、術後排便補助の場合の場合、1日1回10〜15滴(0.67〜1.0mL)
造影剤(硫酸バリウム)投与後の排便促進の場合、6〜15滴(0.40〜1.0mL)
手術前における腸管内容物の排除の場合、14滴(0.93mL)
大腸検査(X線・内視鏡)前処置における腸管内容物の排除の場合検査予定時間の10〜15時間前に20mLを経口投与する。


●モビプレップ ナトリウム・カリウム・アスコルビン酸配合剤散


禁忌
次の患者には投与しないこと
胃腸管閉塞症及び腸閉塞の疑いのある患者
腸管穿孔
胃排出不全
中毒性巨大結腸症


用法用量
本剤1袋を水に溶解して約2Lの溶解液とする。


溶解液を1時間あたり約1Lの速度で経口投与する。
溶解液を約1L投与した後、水又はお茶を約0.5L飲用する。
排泄液が透明になった時点で投与を終了し、投与した溶解液量の半量の水又はお茶を飲用する。
排泄液が透明になっていない場合には、残りの溶解液を排泄液が透明になるまで投与し、その後、追加投与した溶解液量の半量の水又はお茶を飲用する。なお、本剤1袋(溶解液として2L)を超える投与は行わない。


大腸内視鏡検査前処置
検査当日の朝食は絶食(水分摂取は可)とし、検査開始予定時間の約3時間以上前から投与を開始する。


大腸手術前処置
手術前日の昼食後は絶食(水分摂取は可)とし、昼食後約3時間以上経過した後、投与を開始する。