化学療法 FP療法

FP(5-FU+CDDP:フルオウラシル+シスプラチン療法)
適応
➀頭頸部がん 転移・再発に対して21~28日(3~4週毎)に最大6クール
②食道がん 1)術前化学療法として21日(3週)毎に2コース 2)ステージⅣで再発に対する緩和的化学療法として28日(4週)毎に4~6コース


催吐性 高度


スケジュール 1日目10時間30分 5-FUは5日間持続


●生理食塩水 1000ml /4h


●グラニセトロン(カイトリル)  5-HT3受容体拮抗型制吐剤 1mg/15分

用法・用量 本剤を静注する場合は、緩徐に投与すること。
抗悪性腫瘍剤投与に伴う消化器症状
40μg/kgを1日1回静注又は点滴静注する。症状が改善されない場合には40μg/kgを1回追加投与できる。


放射線照射に伴う消化器症状
放射線照射前1回40μg/kgを点滴静注する。ただし、1日2回投与までとする。


●デキサメタゾン(デカドロン) 9.9mg/30分 吐き気止め

効果
抗悪性腫瘍剤(シスプラチンなど)投与に伴う消化器症状(悪心・嘔吐)


●アプレピタント(イメンド) 選択的NK1受容体拮抗剤

1日目:125mg 2・3日目:80mg
抗悪性腫瘍剤投与に伴う消化器症状に用いる
1日目は抗悪性腫瘍剤の投与1時間~1時間30分前に投与し, 2日目以降は午前中に投与


●シスプラチン(ランダ:CDDP) 70~100mg/m2/2h 炎症性抗がん剤

禁忌:腎障害 
用法容量
投与前後に積極補水(ハイドレーション)が必要。
本剤投与前に1,000〜2,000mLの適当な輸液を4時間以上かけて投与。
本剤投与時、投与量に応じて500〜1,000mLの生理食塩液又はブドウ糖−食塩液に混和し、2時間以上かけて点滴静注する。
点滴時間が長時間に及ぶ場合には遮光して投与すること。
本剤投与終了後、1,000〜2,000mLの適当な輸液を4時間以上かけて投与。
本剤投与中は、尿量確保に注意し、必要に応じてマンニトール及びフロセミド等の利尿剤を投与すること。


副作用
腎障害、消化器症状(63%)が強くでる。末梢神経障害、聴力障害、味覚障害、口腔内粘膜炎


消化器症状:5Ht3受容体拮抗薬、NK1受容体拮抗薬、ステロイドにて催吐性をカバー。
症状が続く場合はメトクロプラミド、アルプラゾラム、オランザピンを使用する。
吃逆でやすい
腎障害:体重測定、IN/OUTバランスの確認が必要。当日~2日まで尿量1L以下は異常。
末梢神経障害:つま先・下肢の痺れが出現。熱傷、転倒、低温やけどに注意
聴力障害:耳鳴り、耳閉感、高音域の感音障害が出現。投与量調整が必要
味覚障害:味がしない、砂を食べているような感じ → ケモ食考慮
口腔内粘膜炎:口腔内乾燥にはうがい薬、痛みにはアセトアミノフェン、栄養補助食品等


●フロセミド(ラシックス) 20mg
シスプラチン後の尿量確保目的


●フルオウラシル(5-FU) 700~1000mg/m2/日 5日間 炎症性抗がん剤

700~1000mg/m2/日を5日間持続投与する。できれば中枢ルートが良い。
注意:ワーファリンカリウムと併用注意 抗凝固機能の変動注意
副作用:下痢、悪心・嘔吐・食欲不振、好中球減少(49%)、口腔内粘膜炎、手足症候群
消化管粘膜障害


手足症候群:手・足裏のちくちく、ぴりぴり感。予防的保湿ケアが大切
口腔内粘膜炎:口腔内乾燥にはうがい薬、痛みにはアセトアミノフェン、栄養補助食品等


→スキンケア、マウスケアが大切。


●生理食塩水 1日目1000ml/4h 2~5日目1500ml/6h