作用：鎮痛、鎮静、鎮咳、呼吸困難感改善、止痢
副作用：呼吸抑制、イレウス、悪心、便秘(98%)、眠気、依存性・退薬症候群(あくび，くしゃみ，流涙，発汗，悪心，嘔吐，下痢，腹痛，散瞳，頭痛，不眠，不安，譫妄，振戦，全身の筋肉・関節痛，呼吸促迫等)、まれに無気肺、気管支痙れん、喉頭浮腫
腎機能が悪い場合M6G,M3G蓄積による精神異常・意識障害が生じる
前立腺肥大の患者では排尿障害作用により尿閉の危険性がある。

本剤による呼吸抑制には、麻薬拮抗剤（ナロキソン、レバロルファン等）が拮抗する。

●モルヒネ塩酸塩注

10mg(1%製剤) 50mg(1%製剤) 200mg(4%製剤)
用法容量：オピオイド系鎮痛薬を使用していない患者に対して初回投与時に24 時間以内の総投与量が 10mg を超えないこと。持続点滴静注又1回50～200mgを投与する
効果発現：投与後すぐ
Tmax 30分　T1/2 2時間
レスキューは1時間量を10分毎に1時間に6回まで。

●アンペック注射液

10mg、50mg、200mg
用法容量：はモルヒネと同じ。
Tmax 　T1/2 　データなし

●モルヒネ塩酸塩錠

10mg
用法容量：1回5〜10mg、1日15mgを経口投与する。
効果発現：10分
持続時間：3~5時間
T MAX 30分～1.3時間　T1/2　2～3h
持続時間が短いため定期分2の場合は後半鎮痛効果が乏しい。

●MSコンチン錠

10mg、30mg、60mg
用法容量：1日20〜120mgを2回に分割経口投与する。初回量は10mgとすることが望ましい。
効果発現：60分
持続時間：8～12時間
T MAX 2～4時間　T1/2　2～6時間
モルヒネ塩酸塩錠に比べて緩やかに効果が発現し、持続時間は長い。
高級アルコールをコーティングしたモルヒネ粒子を圧縮した構造で、これが腸管内の水分により徐々に溶解される。下痢・脱水の場合効果減弱。
●オプソ内服液

5mg、10mg
用法容量：1日30～120mgを1日6回に分割し経口投与
効果発現：10分
持続時間：3～5分
TMAX 0.9h　T1/2　2.2h
レスキュー：定期量の1/6量。1時間あけば何度でも投与可。

●アンペック坐剤

10mg、20mg、30mg
用法容量：1日20～120mgを2～4回に分割し直腸内に投与
効果発現：20分
持続時間：6～10時間
T MAX 1～2h　T1/2　4～6h
レスキュー：2時間開ければ何度でも可。
インドメタシン座薬、ジクロフェナク座薬併用禁忌。