外用薬の例

●カデックス軟膏(水溶性基材)

抗菌効果、壊死組織除去効果、浸出液吸収
通常1日1回、患部に約3mmの厚さに塗布する(直径4cmあたり3gを目安に塗布する)
健常皮膚につくと接触性皮膚炎の危険性がある。


慎重投与
甲状腺機能に異常のある患者
腎不全の患者[血清中ヨウ素濃度が著しく上昇するおそれがある。]



●ヨードコート軟膏(水溶性基材)

抗菌効果、潰瘍治療促進、浸出液吸収
用法容量、慎重投与はカデックス同様。


●ユーパスタコーワ軟膏(水溶性基材)

抗菌効果、肉芽形成、上皮化促進、浸出液吸収(吸水作用が強い)
症状及び病巣の広さに応じて適量を使用する。


●ゲーベンクリーム(乳剤基材 水中油型)

抗菌効果、壊死組織除去(保水による融解)
創面を覆うに必要かつ十分な厚さ(約2~3mm)に直接塗布する
幅広い病原菌に有効。特に緑膿菌に強い抗菌効果を示す
※肉芽形成を阻害する作用があるため壊死組織が除去できればすぐに中止する


●ブロメライン軟膏(水溶性基材)

蛋白分解酵素による壊死組織の除去 
浸出液の多い創部に用いられる
潰瘍辺縁になるべく触れないようにして塗布 1日1回交換する(健常皮膚をワセリン保護しても良い) 健常な皮膚にふれると皮膚炎となりやすい。
疼痛、出血をみることがあるから、壊死組織が除去された後は使用を中止して、他の処置にかえること。


●アクトシン軟膏(水溶性基材)

肉芽形成、上皮化促進
症状及び病巣の大きさに応じて適量を使用する。
浸出液の多い創部に用いられる
冷所保存 褥瘡処置の30分前から常温に戻しておく


●プロスタンディン軟膏(油脂性基材)

肉芽形成、上皮化促進
症状及び病巣の大きさに応じて適量を使用する。
浸出液が適正な場合に適す


禁忌
重篤な心不全のある患者〔心不全を増強させるおそれがある。〕
重症糖尿病患者〔網膜症等、脆弱血管からの出血を助長するおそれがある。〕
出血傾向のある患者〔出血を助長するおそれがある。〕
胃潰瘍の合併症及び既往歴のある患者〔出血を助長するおそれがある。〕
抗血小板剤、血栓溶解剤、抗凝血剤を投与中の患者
緑内障、眼圧亢進のある患者


●オルセノン軟膏(乳剤基材 水中油型)

肉芽形成促進
症状及び病巣の大きさに応じて適量を使用する。
浸出液が少ないものに適す


●リフラップ軟膏(乳剤基材 油中水型)

肉芽形成、上皮化促進
症状及び病巣の広さに応じて適量を使用する。
浸出液が適正な場合に適す


禁忌 
卵白アレルギーのある患者


●セルコセリル軟膏(乳剤基材 油中水型)

肉芽形成促進
通常、1日1〜2回患部に塗布する。
浸出液が適正な場合に適す


●フィブラストスプレー

肉芽形成促進、血管新生作用
1日1回、最大径が6cm以内の場合は約5cm離して5噴霧し30秒放置しドレッシング剤で湿潤環境を保つ。6cm以上の場合は重ならないようにずらして同じように噴露。冷所で管理し2週間以内に使用すること。


禁忌 投与部位に悪性腫瘍


●亜鉛化軟膏(油脂性基材)

抗炎症作用、基剤保護


●アズノール(油脂性基材)

抗炎症作用、基材保護