経管投与(粉砕)してはいけない薬剤について

Ⅰ. 徐放性製
投与回数の減少、または副作用の低減を図るなどの目的で、
製剤からの有効成分の放出速度、放出時間、放出部位を調節した製剤。
徐放性製剤を粉砕してしまうと急激な吸収や一過性の血中濃度上昇をもたらし、
過量時の副作用発現と、持続性の消失による治療への悪影響が考えられる。


略語
:Retard(遅らせる)
:Long Acting(長く効く)
CR:Controlled Release(放出をコントロールする)
LA:Long Acting(長く効く)
SR:Sustained Release(放出を持続させる)
TR:Time Release(持続放出)
復効錠、グラデュメット錠 ※略語のついていない徐放性製剤もある。


その他
エブランチルカプセル(脱カプセルO)
アサコール錠
インヴェガ錠
エブランチルカプセル 
ディレグラ錠
トビエース錠 
ケタスカプセル 
カレトラ配合錠
バルプロ酸Na錠
ジルチアゼム錠
タムスロシン塩酸塩OD錠 (ハルナールD錠)
MSコンチン錠
オキシコンチン
パシーフカプセル
テオドール
フランドル
ベタニス


Ⅱ.腸溶性製剤
有効成分の胃内での分解を防ぐ、または有効成分の胃に対する刺激作用を低減させるなどの目的で、有効成分を胃内で放出せず、主として小腸内で放出するよう設計された製剤。
腸溶性製剤を粉砕してしまうと胃腸障害発現の可能性、胃酸による失活のため治療効果が現れないなどの悪影響が考えられる。
経管投与において留置チューブの先端が胃より下部である場合は粉砕可能。


略語
EN Enteric(腸の)
※略語のついていない腸溶性製剤もあります


その他
コンプラビン配合錠
フォスブロック錠
サインバルタカプセル
エクセラーゼ
エビプロスタットDB
カリジノゲナーゼ サインバルタ(脱カプセル〇)
ネキシウム(脱カプセル〇) 
バイアスピリン(タケルダ配合錠)
ラベプラゾール 
ランソプラゾールOD
パリエット錠


Ⅲ.フィルムコーティング製剤


胃腸障害などの副作用の低減、遮光や防湿の目的、味やにおいの隠蔽などを目的にフィルムを施した製剤。※原則的には粉砕は避けるべきだが、粉砕可能な薬剤もある。


アクトネル錠
スローケー錠
アスパラカリウム錠
ペルサンチン錠