アミノグリコシド系

濃度依存性殺菌性抗菌薬


●ゲンタマイシン(ゲンタシン)GM

主な抗菌スペクトラム 
・腸内細菌科、緑膿菌、アシネトバクター
 ・黄色ブドウ球菌、腸球菌


主な適応 
緑膿菌、アシネトバクター、腸内細菌の尿路感染の標的治療
・薬剤耐性緑膿菌、アシネトバクターに対する併用療法 
・腸球菌、レンサ球菌による感染性心内膜炎の併用療法


投与方法
 5.1mg/kg 24時間毎。
重症例では7mg/kg 24時間毎まで増量
点滴静注の場合、急速に投与しないこと。


注意点
・尿路感染症の標的治療を除いて、単剤使用することは殆どない。(緑膿菌ぐらい)
・特に膿瘍のような嫌気環境で は抗菌力を発揮できないので使用しない。
 ・腎毒性、耳毒性で有名。血液透析等による薬剤の除去を行う
 聴覚障害は、薬剤中止によってもあまり改善しない。
 腎障害は、薬剤中止によって改善することが多い
・シナジー効果(抗菌薬同士の相乗効果)ありペニシリン系の効果アップを狙って使用す る


●トブラマイシン(トブラシン)TOB

この系統では緑膿菌への活性は一番。
主な抗菌スペクトラム  
・腸内細菌科、緑膿菌、アシネトバクター
主な適応 
・薬剤耐性緑膿菌、アシネトバクターに対する併用療法 
・緑膿菌、アシネトバクター、腸内細菌の尿路感染の標的治療


投与方法
5.1mg/kg 24時間毎。重症例では7mg/kg 24時間毎まで増量(5日間以内)を考慮  
30分〜2時間かけて注入する。1回90mg投与の場合には,1時間以上かけて注入することが望ましい


注意点
・GM同様
・20%マンニトールとは配合変化を起こすので,本剤とは混注しないこと。
・ピペラシリンと混合すると,両剤の反応によりアミドを形成し,本剤の活性低下を来すので,それぞれ別経路で投与すること。


●アミカシン(アミカシン)AMK

ゲンタマイシン耐性の腸内細菌でも感受性を有する場合がある。


主な抗菌スペクトラム  
・腸内細菌科、緑膿菌、アシネトバクター  
・一部の非結核性抗酸菌


主な適応  
・緑膿菌、アシネトバクター、腸内細菌の尿路感染の標的治療  
・薬剤耐性緑膿菌、アシネトバクターに対する併用療法  
・重症の非結核性抗酸菌症に対する併用療法


投与方法
 15mg/kg 24時間毎。重症例では20mg/kgまで増量(5日間以内)を考慮する。
 30分〜1時間かけて投与



注意点
・GM同様
・腎毒性及び聴器毒性はカナマイシンと同程度で、ゲンタマイシン、ジベカシンより弱い。
・ゲンタマイシン耐性菌に対して強い抗菌力を有し、ゲンタマイシン、ジベカシン、トブラマイシンの3剤耐性菌にも有効である。


●その他
アルベカシンABK
ストレプトマイシンSM
カナマイシンKM