抗菌薬 治療法と戦略
escalation戦略と de-escalation 戦略
- escalation戦略とは、軽症の感染症などにおいて、原因菌を可能な限り絞り込み、狭域スペクトルの抗菌薬で治療を開始し、病態が悪化した場合にはスペクトルを広げる戦略である。
- de-escalation戦略とは、重症の感染症などにおいて、予測される原因菌を含めた広域スペクトルの抗菌薬で治療を開始し、原因菌および薬剤感受性の判明後、狭域スペクトルの抗菌薬へ変更することである。de-escalation とは、経験的治療から標的治療に切り替えることを指す。
definitive therapy と empiric therapy
- definitive therapy(標的治療)原因菌をグラム染色や培養などの検査で確定させてから、菌の感受性や感染部位への移行性などを考慮して最適な抗菌薬を用いて治療することである。抗菌薬の選択は、「標的臓器の確定」、「原因菌の確定」、「薬剤感受性試験結果」をもって行われる。
- empirictherapy(経験的治療)は原因菌が確定される(培養結果が出る)前に原因菌をある程度推測して抗菌薬の投与を開始する。鑑別に挙がる複数の菌種を広くカバーする広域スペクトルの抗菌薬を用いて治療することが多い。
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