ニューキノロン系

殺菌性濃度依存性超広域抗菌薬
非定型細菌をカバー。
スペクトラムとても広い。診断間違ってても治療できてしまう最強抗菌薬。
レジオネラに対してのみファーストチョイス。


ただし金属カチオン(Al、Mg、Fe)含有製剤との併用は、キレート形成によって吸収が阻害され、キノロン系抗菌剤の血中濃度が低くなってしまう。
併用する場合は、服用時間を最低 2 時間以上はずらす必要あり(内服薬のみ)

例:下記
マーロックス(制酸剤)、マグミット・酸化Mg(下剤)、アドソルビン(止瀉剤)
アルサルミン(胃粘膜保護剤)、バファリン 81 (炭酸Mg含有抗血小板剤) 
カルタン(リン吸着剤) 、アスパラCa (Ca製剤)、フェロミア( 鉄剤 )


ニューキノロン系抗菌薬とNSAIDsを併用すると痙攣発作が現れることがあるため注意。


第一世代:ナリジクス酸(ウイントマイロン):緑膿菌以外のグラム陰性桿菌に有効
第二世代:ノルフロキサン(バクシダール)、シプロフロキサシン(シプロキサン):第一世代スペクトル⁺緑膿菌
第三世代:レボフロキサシン(クラビット)、スパルフロキサシン(スパラ)、トスフロキサシン(オゼックス):第二⁺グラム陽性球菌
第四世代:カレノキサシン(ジェニナック)、モキシロクロキサシン(アベロックス)、シタフロキサシン(グレースビット):第三⁺嫌気性菌


●シプロフロキサシン(内服・静注 シプロキサン)CPFX

緑膿菌への効果はニューキノロン系で最も高い


主な抗菌スペクトラム  
・緑膿菌、アシネトバクター、レジオネラ  
・クレブシエラ、プロテウス  
・エンテロバクターなど、染色体型AmpCβラクタマーゼ産生腸内細菌  
・結核菌(単剤での治療は不可)


主な適応  
・緑膿菌感染症(肺炎、尿路感染症など。長期投与が必要な場合は専門医に相談)  
・原因微生物と感受性が判明した後の、グラム陰性桿菌感染症  
・レジオネラ症  
・髄膜炎菌の曝露後予防


投与方法  
400mg 1日2~3回。曝露後予防では20mg/kg(最大500mg)単回  
40kg未満では10mg/kg 1日2~3回(小児での投与量を参考にした)
30分以内の点滴静注は避けること


注意
・結核菌にある程度効いてしまい診断の遅れにつながるので、疑う時は使用しない。 
・大腸菌の耐性率が高く、尿路感染で使用する場合は培養検査を確認後が望ましい。  
制酸薬や陽イオン製剤(酸化Mgなど)と併用で吸収が低下するので、時間をずらす  
・QT延長や腱傷害にも注意を要する。  
・肺炎球菌への活性は乏しく、肺炎への経験的治療では使用できない
・てんかん既往のある場合(禁忌ではない)
・フェニトイン投与患者(禁忌ではない)


禁忌
・ケトプロフェン皮膚外用剤を除く(カピステン)、チザニジン塩酸塩(テルネリン)、ロミタピドメシル酸塩(ジャクスタピッド)


●レボフロキサシン(内服・静注:クラビット)LVFX


抗菌スペクトラム
 ・レジオネラ ・肺炎球菌、インフルエンザ桿菌、マイコプラズマ、クラミドフィラ 
・クレブシエラ、プロテウス 
・エンテロバクターなど、染色体型AmpCβラクタマーゼ産生腸内細菌 ・緑膿菌、アシネトバクター 
・結核菌(単剤での治療は不可)


主な適応 
・レジオネラ症 ・渡航者下痢症(耐性菌が増えており、異なる見解もある) 
・緑膿菌感染症(肺炎、尿路感染症など。長期投与が必要な場合は専門医に相談)
 ・原因微生物と感受性が判明した後の、グラム陰性桿菌感染症


投与方法
500mg 1日1回。添付文書外になるが750mgまで使用しても良い。 
40kg未満では375mg 1日1回
約60分間かけて点滴静注


注意点 
・結核菌にある程度効いてしまい診断の遅れにつながるので、疑う時は使用しない。
 ・大腸菌の耐性率が高く、尿路感染で使用する場合は培養検査を確認後が望ましい。
 ・制酸薬や陽イオン製剤(酸化Mgなど)と併用で吸収が低下するので、時間をずらす
 ・QT延長や腱傷害にも注意を要する
・てんかん既往には注意