テトラサイクリン系

時間依存性静菌性抗菌薬
非定型細菌、グラム陽性菌 グラム陽性菌 マラリアなど。
※グラム陽性菌の多くが耐性をもち、グラム陰性菌のプロテウスはカバーしてない
リケッチアにたいしてはマクロライドより良い。


●ドキシサイクリン(ビブラマイシン)DOXY

リケッチア、スピロヘータなどにも活性がある


主な抗菌スペクトラム 
・マイコプラズマ、クラミドフィラ 
・リケッチア、スピロヘータ 
・黄色ブドウ球菌 
・多くの腸内細菌科


主な適応
 ・非定型肺炎やクラミジア感染症でマクロライドが使用できない場合 
・日本紅斑熱、ライム病、Q熱、レプトスピラ、ブルセラ症、猫ひっかき病 ・梅毒の治療でペニシリン系が使用できない場合 
・マラリアの予防内服(保険適応外)


投与方法
 100mg 1日2回。50kg以上で適応 
50kg未満の患者では4mg/kg/day 分2
腎障害時の投与量  調整不要


主な注意点 
・歯の色素変化があるため、8歳以下では代替薬を考慮するが、テトラサイクリン系では最もこ の副作用が少ない。3週間以内なら安全に使用できるとする見解もある。
 ・食道粘膜傷害の頻度が高く、注意が必要。
・SU剤との併用で低血糖


●ミノサイクリン(ミノマイシン)MINO

この系統では黄色ブドウ球菌によく用いられる


主な抗菌スペクトラム 
・マイコプラズマ、クラミドフィラ 
・黄色ブドウ球菌(MSSA、MRSA) 
・リケッチア ・腸内細菌科の多くの菌


主な適応
 ・非定型肺炎でマクロライドが使用できない場合
 ・日本紅斑熱(ドキシサイクリンが利用できない場合)
 ・MRSAによる骨髄炎、人工関節感染のスイッチ療法


投与方法
100mg 1日2回。静注は初回200mgでローディング。50kg以上で適応  
50kg未満の患者では4mg/kg/day 分2
30分~2時間かけて投与
腎障害時の投与量  調整不要


注意
・カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、ランタン又は鉄剤
 両剤の服用間隔を2〜4時間とすること。
・歯の色素変化があるため、8歳以下では原則として使用しない
 ・前庭機能障害など中枢神経系の副作用が多い点も注意が必要。 
・MRSA感染症では、軽症の皮膚軟部組織感染を除いて初期から使用することはない。MSSA 感染症ではβラクタム系の方が優先される。
 ・尿中への排泄が少ないので、感受性菌でも尿路感染症では使用しない。


●その他
テトラサイクリンTC