PIPC/TAZ

●ピペラシリン/タゾピクタム(ゾシン)PIPC/TAZ(4g/0.5g)


緑膿菌カバーがに必要な時のβラクタマーゼ阻害薬。
これにより嫌気性菌カバーも十分になる。
黄色ブドウ球菌MSSAも治療できる
これが効かない黄色ブドウ球菌がMRSA。


主な抗菌スペクトラム
・MRSAやE. faecium を除くグラム陽性球菌(ただし抗菌作用は必ずしも強くない)
・横隔膜の上と下の嫌気性菌(バクテロイデスを含み、C. difficile を除く)
・腸内細菌科のうち、ESBLやAmpC非産生のもの全般
・緑膿菌、アシネトバクター


主な適応
・(主に院内)肺炎で、薬剤耐性のある腸内細菌科や緑膿菌をカバーする場合
 特にK. pneumoniae に対してはSBT/ABPCより明らかに優れる
・医療曝露のある患者の虫垂炎、憩室炎、胆道感染
・敗血症性ショックなど、初期治療で広域抗菌薬を使用せざるを得ない場合。
・発熱性好中球減少症で嫌気性菌のカバーを行う場合


投与方法
 4.5g 6時間毎。40kg以上で適応
 40kg未満の患者では100mg/kg 6時間毎
 緩徐に注射


主な注意点
・ESBL産生菌の感染症では、尿路感染などで治癒する事例もあるがカルバペネムよりは治療効果が劣るため、積極的には勧められない。
・AmpC産生菌の感染症では効果が乏しく、βラクタム系ではCFPMやカルバペネムが推奨さ
れる。非βラクタムが感受性を有する場合は使用可能。
・超広域スペクトラムを有するため、適応は慎重に選ぶことが望ましい
・併用注意 プロベネシド、メトトレキサート、抗凝血薬、バンコマイシン
・アミノグリコシド系抗生物質(トブラマイシン等)の混注により、アミノグリコシド系抗生物質の活性低下をきたすので、本剤と併用する場合にはそれぞれ別経路で投与すること。
・高齢者ではビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある