抗菌薬の用語
項目
MIC
PK
PD
バイオアベイラビリティ
① MIC:最小発育阻止濃度
MIC(最小発育阻止濃度)が低い:抗菌薬の濃度が低くても細菌の増殖を抑えることができる
その細菌に対して、有効性が高い抗菌薬である
MIC(最小発育阻止濃度)が高い:抗菌薬の濃度が高くないと細菌の増殖を抑えることができない。その細菌に対して、有効性が低い抗菌薬である
② PK:抗菌薬が感染部位に到達するかどうか
中枢神経系と前立腺髄膜炎・脳炎、前立腺炎では抗菌薬が特に届きにくいため、移行性のよい薬剤を選択する必要がある。
- 中枢神経系への移行性が良好な薬剤:メトロニダゾール、ST合剤、フルオロキノロン系、ペニシリン系・第3世代以降のセフェム系
- 前立腺への移行性が良好な薬剤:ST合剤、フルオロキノロン系、テトラサイクリン系、マクロライド系など(急性期はラクタム系)
※前立腺炎について
急性期は血流が豊富なため、前立腺炎でもβラクタム系で治療が可能だが、その後は血流が低下してくるため抗菌薬の移行性は低下する。このため、βラクタム系薬ではなくST合剤やキノロン系、テトラサイクリン系などのバイオアベイラビリティのよい薬剤を選択する必要がある
③ PD:抗菌薬が届いた後に細菌をやっつけるか
- 時間依存性抗菌藥:一定の抗菌薬濃度を超える時間が長いほど効果が高まる。例:βラクタム系など投与回数の多いもの。
- 濃度依存性抗菌藥:抗菌薬の血中濃度に比例して効果が高まる。例:投与回数の少ないアミノグリコシド系。
④ バイオアベイラビリティ:投与された薬剤が血中に移行する割合のこと
- 点滴薬はすべて血中に入るため生体利用率:100%
- 内服薬は消化管で吸収され血中に至る
※生体利用率の高い抗菌薬:第1、2世代セフェム系、メトロニダゾール、ST合剤、フルオロキノロン系、テトラサイクリン系、
生体利用率の低い抗菌薬:第三世代セフェム系、マイクライド系、バンコマイシン
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