βラクタマーゼ阻害薬配合のセフェム系抗菌薬

●セフォペラゾン/スルバクタム(セフォン) CPZ/SBT

第3世代セフェム系抗菌薬とβラクタマーゼ阻害薬の配合剤
排泄経路 
腎…SBT約90% CPZ約25%


セフォペラゾンは第三世代セフェム系であるが、ペニシリナーゼおよびセファロスポリナーゼに不安定である、そのためβラクタマーゼ(スルバクタム)と合剤となった。


対応菌種
ブドウ球菌属 大腸菌 シトロバクター属 クレブシエラ属 エンテロバクター属 セラチア属 プロテウス属 プロビデンシア・レットゲリ モルガネラ・モルガニー インフルエンザ菌 緑膿菌 アシネトバクター属 バクテロイデス属 プレボテラ属


CPZ/SBTはβラクタマーゼ阻害剤を配合しているので、嫌気性菌に活性があるセフェム系です。胆汁移行性なので、胆管炎や胆嚢炎などで使用されることが多く、腎機能の悪い人でも減量の必要はありません。


●セフトロザン/タゾバクタム(サバクサ) CTLZ/TAZ

2019年販売。第3世代セフェム系抗菌薬とβラクタマーゼ阻害薬の配合剤
カルバペネムの一歩手前の薬?緑膿菌に安定した作用を示す。


適応菌種
レンサ球菌属、大腸菌、シトロバクター 属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス属、緑膿菌


適応疾患
膀胱炎・腎盂腎炎(UTI)、肺炎、敗血症、腹膜炎・腹腔内膿瘍・胆嚢炎・肝膿瘍(IAI)ではMNZと併用で適応あり 


1回1.5g(タゾバクタムとして0.5g/セフトロザンとして1g)を1日3回60分かけて点滴静注する。
なお、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍に対しては、メトロニダゾール注射液と併用すること。


腎排泄がメインの抗菌薬なので腎機能に応じて用量の調整が必要。