抗菌剤 透析性

抗菌薬の代謝は腎排泄型と胆汁排泄型(肝代謝)に分けられる。
腎排泄型は透析によって排泄されるが、肝臓で分解されるものは透析で排泄されず、透析性がない。(蛋白結合率が低いと透析で除去されやすい)


透析患者の感染症に対する抗菌薬濃度を維持するためには腎排泄型抗菌薬は透析後に追加投与する必要があるが、胆汁排泄型は透析に影響を受けず一定の濃度が維持されるといえる。


●βラクタム系薬
腎排泄型であり,透析患者では投与間隔をあけるか,投与量を減量する必要がある。
透析日には透析後に投与を行う.
※ただしCPZ:セフォペラゾン,CTRX:セフトリアキソンは胆汁排泄型である。
CPZ/SBT:セフォンは腎排泄型と考える。


●カルバペネム系
腎排泄型。痙攣に注意


●アミノグリコシド系
腎排泄型。腎毒性、聴力障害を生じる可能性あり常用量の20~30%を24~48時間ごとに投与する。


●グリコペプチド系
腎排泄型。VCMは薬物血中濃度モニタリング(TMD)を測定しながら投与する。


●テトラサイクリン系
胆汁排泄型。常用量で投与する。


●ニューキノロン系
腎排泄型。1日投与量の減量・投与間隔の延長が必要
キノロン系薬は透析患者でリン吸着剤として使用される炭酸カルシウムとの同時服用により吸収低下が報告されている.服用時刻を 2 時間あけることにより,吸収阻害を回避することができる.


●抗真菌薬
AMPH-B:ファンギソン、MCZ:フロリードは胆汁排泄型。常用量で良い。
5-CF:フルトシン、FCZ:ジフルカンは腎排泄型。


●抗ウイルス薬
ガンシクロビル、アシクロビル
腎排泄型。ヘルペス治療で用いられる。



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