経口血糖降下薬 ビグアナイド薬(BG薬)


SU薬が膵臓に作用するのに対して、ビグアナイド薬は主に肝臓に作用して糖新生を抑制する。食欲を抑制する効果もあり、肥満を伴う2型糖尿病患者の第一選択薬として用いることもある。注意すべき副作用として乳酸アシドーシス挙げられる。


主に➀肝臓の糖新生を抑制し、さらに②末梢組織でのインスリン感受性を改善、③腸管からの糖吸収抑制により血糖降下作用を発現する。
半減期が1.5~2.8時間と短く使いやすく、脂質代謝を是正し大血管障害、最小血管障害にも寄与するとされる。
単独使用での低血糖はほとんどみられない。肥満が起きないので肥満者にも使いやすい。


※乳酸アシドーシス
乳酸アシドーシスの初期症状
具体的な乳酸アシドーシスの初期症状
胃腸症状(悪心・嘔吐・腹痛・下痢)
筋肉の痙攣、筋肉痛、倦怠感、脱力感、腹痛、胸痛


進行した乳酸アシドーシスの症状
過呼吸(アセトン臭を伴わない)
脱水、低血圧、低体温、傾眠、ショック状態、全身痙攣
クスマウル呼吸


乳酸アシドーシスが生じる理由・メカニズム
メトホルミンをはじめとしたビグアナイド薬は肝細胞のミトコンドリア膜に結合し、酸化的リン酸化を阻害しTCAサイクルを低下させることで結果的に乳酸の産生が亢進されることと、乳酸からグルコースへの変換(糖新生)の抑制によって乳酸が蓄積することが原因と考えられています。


併用禁忌薬
メトホルミン塩酸塩と併用禁忌の薬はありません。


ヨード造影剤
ヨード造影剤は一時的に腎機能を低下させるため、メトホルミン製剤の排泄が遅れ乳酸アシドーシスの発生確率が上昇するからです。


特に中止する期間は設定されていませんが、製薬メーカーによるとヨード造影剤投与の前後2日間(48時間)はメトホルミン製剤を中止するように推奨されています。


オルメテックとの一包化は避ける
メトホルミン製剤とオルメテック(オルメサルタンメドキソミル製剤)を一包化するとメトグルコの錠剤全体がピンク色に変色することが報告されています。
メトグルコ(メトホルミン製剤)はオルメテックとの一包化は避けるようにしなけれないけません。