血液検査 Ca

●血清カルシウム Ca
正常値:8.4~10.4mg/dl

ちなみに血液ガスのCa2+は正常値の8分の1

正常値:1.15〜1.3mmol


生体内に存在するCaの98%が骨組織内に集まっており、残りの2%がアルブミンと結合したかたちで体液中に存在している。よってAlb濃度が低下するとCaも低下する。
カルシウムの代謝調整はパラソルモン(副甲状腺ホルモン)、カルシトニン、ビタミンDなどによりなされている。


カルシウムは、リンと共存する関係にある。
カルシウムの生理的作用
①細胞の浸透圧調整、②ナトリウムおよびカリウムイオンとの拮抗作用、③筋内や神経の興奮性の調整、④神経刺激伝導、⑤酵素の活性化


高値の原因
血清リン増加:ビタミンD過剰症による吸収促進、多発性骨髄腫など
血清リン正常:骨結核(破壊性)サルコイドーシス、癌の骨転移、変形性関節症
       骨破壊によるカルシウム漏出
血清リン減少:副甲状腺機能亢進症によるカルシウム吸収促進


低値の原因
血清リン増加:副甲状腺機能低下症、腎疾患によるカルシウム再吸収減少、重症浮腫
血清リン正常:低蛋白血症、ネフローゼ症候群、脂肪性下痢、急性膵炎、閉塞性黄疸
血清リン減少:クル病、骨軟化症、肺炎、百日咳
その他 ビタミンD欠乏症


高カルシウムの症状
心電図でQT短縮、多尿、口渇、多飲、脱力、食欲低下、意識低下


低カルシウムの症状
QT延長、テタニー(強直)、しびれ、意識消失、痙攣、凝固能低下(第4凝固因子)