急変時薬カテコラミン

α作用
ノルアドレナリン>アドレナリン>ドパミン>ドブタミン
β作用
ドブタミン>ドパミン>アドレナリン>ノルアドレナリン


α1作用は主に血管収縮作用があり血圧上昇に関与する。
β1作用は心拍数増加、心収縮力増強に関与する。
β2作用は気管支と血管に分布。気管支拡張と血管拡張を起こす


カテコラミンは原則中心静脈から投与すべきである。
末梢ルートから投与すると血管障害や周囲の皮膚障害を生じるリスクがある


アシドーシスでカテコラミンが効きにくい理由
アシドーシスでは水素イオン増加する
カルシウムイオンは筋繊維に結合し収縮を促す。
水素イオンはカルシウムイオンの分泌や、ミオシンとの結合を阻害する。




●ドパミン塩酸塩(イノバン:DOA)

禁忌
褐色細胞腫


効能・効果
心原性ショック、出血性ショックの第一選択薬。
無尿、乏尿や利尿剤で利尿が得られない状態(腎血流量増加作用)
α+/β1++/β2-


用法・用量
1〜5μg/kg/分を持続静脈投与、20μg/kgまで増量可。
血管炎となりやすいため原則CV投与。
低用量(1~3γ):腎血流量増加、尿量増加
中等量(3~10γ):α<β 心収縮力増強、心拍数増加 中等量以上で不整脈に注意
高用量(10~20γ):α>β 末梢血管収縮による血圧上昇、利尿効果はない。


効果発現:すみやか
TMAX:5分
T1/2:2分
効果持続:10分


慎重投与 末梢血管障害のある患者(動脈硬化症、レイノー症候群、バージャー病等)
重大な副作用 麻痺性イレウス、末梢血管収縮による虚血・壊死、頻脈性不整脈


●ドブタミン塩酸塩(ドプポン:DOB)

禁忌
肥大型閉塞性心筋症


効能効果
β1刺激作用による心収縮力増強(血圧の保たれている肺うっ血性心不全など)
β2作用では末梢血管を拡張するため血圧は上がらない。
α+/β1+++/β2++


用法用量
1分間あたり1〜5μg/kgを持続静注.1分間あたり20μg/kgまで増量可.


効果発現:1~2分
TMAX:数分
T1/2:2分


注意
β遮断剤の投与を受けていた場合、本剤のβ受容体刺激作用が遮断されα受容体刺激作用が現れ、効果減弱・末梢血管抵抗上昇の恐れがある。
72時間以上投与すると耐性がみられることがある。


これといった副作用なし。


●ノルアドレナリン(NAD) 1mg=1mL

禁忌
他のカテコールアミン製剤投与中の患者
コカイン中毒の患者
心室性頻拍のある患者、妊婦


効能効果
急性低血圧又はショック時(敗血症性ショックの第一選択)
α+++ 末梢血管を収縮させて血圧を上昇させる
DOA、DOBで十分な血圧上昇が得られないとき、冠および脳血流量を維持するため使用するが、腎血流量は減少する。

血管拡張が主病態である敗血症性ショック、アナフィラキシーショックに良い。
頻脈誘発は強くないが、血管収縮により臓器障害を生じる恐れがある。
後負荷が大きくなるため、心疾患時特に収縮不全の場合には使いにくい。


用法用量
静脈注射 0.05~0.3γで用いる
1回1mgを250mLの生理食塩液、5%ブドウ糖液、血漿又は全血などに溶解して点滴静注する。一般に点滴の速度は1分間につき0.5〜1.0mLであるが、血圧を絶えず観察して適宜調節する。後負荷が増大するため心不全や心疾患などでは使いにくい
静注での効果発現は非常に早い。血圧上昇作用は注入中止 1 ~ 2 分以内に消失する。


皮下注射
1回0.1〜1mgを皮下注射する。


副作用
強い血管収縮による末梢血管および臓器障害
不整脈、頭痛、過敏症状、胃腸障害、血管外漏出により組織の壊死
腸管虚血・腎虚血
過度の昇圧反応を起こし,肺水腫,不整脈,心停止が起こることがある


過度の血圧上昇を生じた場合には,α遮断薬(フェントラミン等)を使用する。


注意点
他のカテコラミン製剤投与中の患者は不整脈,心停止が起こることがあるので,
蘇生等の緊急時以外には併用しない.
できるだけCVルートから投与。長期投与では壊死を起こす。


●アドレナリン(ボスミン:AD)、エピネフリン

禁忌
狭隅角や前房が浅いなどの眼圧上昇の素因のある患者
原則禁忌
動脈硬化症の患者
甲状腺機能亢進症の患者
心室性頻拍等の重症不整脈のある患者


効能効果
気管支喘息,百日咳
各種疾患もしくは状態に伴う急性低血圧またはショック時の補助治療
心停止の補助治療
α++/β1+++/β2+++
心臓では心収縮増強、心拍数増加。
血管には冠動脈拡張、末梢血管収縮。


用法用量
心停止時にはACLSプロトコールに従い1回1mlを3~5分ごとに静注
気管支喘息重積発作時には0.3mlを皮下注。15分毎に反復投与可。
アナフィラキシーショック字は0.3mLを筋注


頻脈・不整脈必発、血管外漏出にて壊死、肺水腫、


AVP ピトレシン カテコラミンではない
バソプレシン受容体に作用。
V1受容体は腸管、血管に
V2受容体は尿の集合管に存在。
強力な血管収縮作用。カテコラミンとの併用が良い。カテコラミン反応性を改善するとも言われている。pH低くてカテコラミン聞かないときとかはAVPが良い。
ただし虚血性腸疾患病変には使いにくい。