血液検査 蛋白関連

1)血性総蛋白(TP)
血清中の蛋白質は、アルブミンが50~70%、その他グロブリンなどがあげられる
基準値6.7~8.3mg/dl
●高値:栄養過剰、脱水、グロブリン増加
●低値
アルブミン減少(タンパク尿、胸腔・腹腔への漏出)
アルブミン合成障害(肝機能障害など)
アルブミン異化亢進(悪性腫瘍、甲状腺機能亢進、重症感染症、手術)
摂取不良、吸収不良


2)血清蛋白分画(PF)
総蛋白を大きく5に分画してその比率を調べる。


➀アルブミン(Alb):アルブミン 60~72%
②α-1グロブリン(α1):α1-アンチトリプシン、α1-リポ蛋白 1.7~3.3%
→急性炎症の際に上昇。低下することはまれ。
③α-2グロブリン(α2):ハプトグロビン、α2-マクログロブリン、セルロプラスミン 5.8~10.2%
→肝障害や蛋白漏出胃腸症で低下。ネフローゼでは増加する。
④β-グロブリン(β):トランスフェリン、ヘモペキシン、β-リポ蛋白 5.8~10.2%
→肝障害や蛋白漏出胃腸症で低下。
⑤γ-グロブリン(γ):IgG,IgA,IgM,CRP 14.6~15.6%
→免疫グロブリンが増加する場合に増加。


3)A/G比(アルブミン/グロブリン比)
通常はアルブミンが約67%、グロブリンが約33%の割合。
基準値は1.3~2.3。
高値:無グロブリン血症、AIDS
低値:栄養不足、肝障害、ネフローゼ、異化亢進、悪性腫瘍、多発性骨髄腫など
肝硬変ではアルブミンが低下しグロブリンが上昇するため低下する。
A/G比1.5未満は慢性肝炎から肝硬変への移行期、1.0前後では肝硬変進行している。