抗コリン薬について

抗コリン薬とは、アセチルコリンがアセチルコリン受容体に結合するのを阻害する薬物のことである。また副作用として抗コリン作用が生じる薬剤もある。


投与禁忌の疾患
・閉塞隅角緑内障→眼圧が上昇する。
・前立腺肥大によって排尿障害のある場合→尿閉となってしまう
・重症筋無力症→筋緊張が低下する
・麻痺性イレウス→抗コリン作用にて蠕動運動を抑制するため


投与注意の疾患
・せん妄→アセチルコリン作動性神経活動性低下により興奮状態となる
・開放隅角緑内障→抗コリン作用により眼圧が上昇し,症状を悪化させることがある。


●抗コリン薬(抗コリン作用を主とした薬剤)
鎮痙・抗消化性潰瘍薬
・アトロピン(硫酸アトロピン)
・ブチルスコピラミン(ブスコパン)


吸入気管支拡張薬
・チロトロピウム(スプリーバ)


排尿障害治療薬(過活動膀胱治療薬)
・フラボキサート(ブラダロン)
・プロペビリン(バップフォー)
・オキシブチニン(ポラキス)
・ソリフェナジン(ベシケア)
・イミダフェナシン(ウリトス)


●抗コリン作用薬(副作用として抗コリン作用が出現する薬剤)
麻薬
・モルヒネ、オキシコドン


抗不整脈薬
・ジソプラミド(リスモダン)
・シベンゾリン(シベノール)
・プロパフェノン(プロノン)


抗ヒスタミン薬
・d-クロルフェニラミン(ポララミン、セレスタミン)
・シフェンヒドラミン(ベナ)
・ジフェニドール(セファドール)
・ヒドロキシジン(アタラックス)
・フェノチアジン系(ピレチア)


中枢性鎮咳薬
・リン酸コデイン


総合感冒薬
・PL顆粒


催眠・鎮静薬
・フルニトラゼパム(サイレース)
・トリアゾラム(ハルシオン)
・ロルメタゼパム(エバミール)
・エスタゾラム(ユーロジン)
・クアゼパム(ドラール)
・ゾルピデム(マイスリー)
・エスゾピクロン(ルネスタ)


抗てんかん薬
・クロナゼパム(リボトリール、ランドセン)
・カルバマゼピン(テグレトール)


抗パーキンソン薬
・レボドパ含有製剤(ネオドパストン、マドパー)
・アマンダジン(シンメトレル)


向精神病薬
・ハロペリドール(セレネース)
・クロルプロマジン(コントミン)


抗うつ薬
・イミプラミン(トフラニール)
・アミトリプチン(トリプタノール)
・マプロチリン(ルジオミール)
・パロキセチン(パキシル)
・フルボキサミン(ルボックス)
・トラゾドン(レスリン)


抗不安薬
・ジアセパム(セレナミン・ホリゾン)
・エチゾラム(エチゾラム)
・アルプラゾラム(コンスタン)
・ロラゼパム(ワイパックス)
・クロチアゼパム(リーゼ)